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台湾桃園国際空港第一ターミナル再生
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所在地:台湾桃園県

用途:空港ターミナル

敷地面積:57,600㎡

延床面積:107,610㎡(うち15,540㎡増築)

構造:ポストテンション鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造

階数:地上4階、地下1階

竣工:2013年

2014年 台灣建築奬首奬

台北桃園国際空港第一ターミナルは、1979年に台湾の著名な構造家T.Y.リンによって建造されたもので、エーロ・サーリネンによる米国のワシントン・ダレス空港の影響が見られる建築で、当時としては先端的なプレストレス構造が用いられている。多くの人びとの記憶に残り、数々の思い出の場となったであろうこの旧ターミナルを尊重しながら、そこに新しい時間を連続的にデザインすることで現代に適合した新生の玄関口を提起したかった。この計画は新旧の構造体を合体させることによる再生計画で、「昔から今へのメタボリズム」と、「昔と今の共生」がテーマとなっている。
建設当初は年間旅客数500万人を想定されて設計されたが、その後の航空旅客数の急増によって、1500万人/年を可能とする計画が求められていた。本計画では、既存の第一ターミナルの構造体に耐震補強を行いつつ、利用を続行しながら活用されていなかった屋外テラスを内包する大屋根を両翼に架構し、床を一切新設せずに空間を広げる方法を考えた。以前建物の外壁面に立ち並んでいた特徴的な斜め柱はこうして内部に取り込まれ、引き続き内部空間の主要な要素となった。
大屋根の大梁は懸垂曲線(catenary curve)を用いており、その上に採光ルーバーを兼ねたPC板を乗せて地震力と風圧に対して安定させる工法をとっている。これは東アジアに見られる伝統的な瓦屋根を現代の構造形式の中で表現したものである。 旧ターミナルでは、乗用車、バス、タクシーが混在して混乱の様相を呈していたが、本計画においては車両レーンを2層式とすることで交通処理能力が倍加されることとなった。  
このように、既存の建築を生かしながら新しい状況に即応するような再生を行ったために、解体・新築を行う場合と比べ建設コストを1/20に、二酸化炭素の発生量を1/10にまで縮小することができた。

Before

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After

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