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京都市西京極総合運動公園
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設計:團紀彦建築設計事務所

共同:京都市都市計画局営繕部営繕課・設備課、

          建設局水と緑環境部緑政課

          仙田満+環境デザイン研究所

所在地:京都市右京区

用途:観覧場併設水泳場

敷地面積:36,000㎡

延床面積:30,586.09㎡

構造:RC造、一部R造

階数:地上3階、地下1階

​竣工:2002年

この施設は京都市西京極にあるスポーツ運動公園内に計画されるスイミングプールを中心に、子供プール、スポーツジム、屋外のゲートボール場及び屋内駐車場から成り立つスポーツコンプレックスである。メインアリーナは2200人の観客席を有し、国際競技用の50mのメインプールと飛び込み台を持つサブプールからなり、可動床を持つメインプールは冬場にはスケートリンクとなるように計画されている。これらのプールは年間一定の水温を保つ必要があるため屋根部に設置されたソーラーシステムにより温水を作り、これを用いて温度管理を行う。また屋根に揚水することにより屋根の荷重が大きくなるため列柱頂部に免震システムを導入して耐震性能を高めている。またこの計画では自然エネルギーの活用を積極的に行っておりメインプールのソーラーシステムの他に、子供プールの屋根には太陽光発電設備を持ち、雨水は地下の貯水槽に集水・濾過・滅菌ののち緑地への散水、トイレ洗浄水、冷却塔補給水に利用される。

この計画では、36,000㎡の敷地に、トータルで約30,000㎡の延床面積のプールを中心とするコンプレックスが要求されていた。相対的に見た敷地はむしろ狭く、すべてを平屋建てにすれば、ほぼ敷地を建物が埋め尽くすような状況だった。また地下の機械室の工事によって発生することが予想された残土は約90,000㎥で、建築物の平均階高を6mと設定すればそれに対して想定される建築のヴォリュームは約180,000㎥となった。柔らかく変形可能な残土をシチューの「ルー」に例え、建築のヴォリュームを「具」に例えるならば両者を加えた270,000㎥のシチューは総体としての半建築/半地形のユニヴァーサルフォームを形成する。これが設計の基本概念となり、またその出発点となった。通常では残土は処分して建築のヴォリュームだけに対して形態を与えていくわけだが、ここで両者を加えたユニヴァーサルフォームから出発した理由は一つには大量の残土を廃棄する際に想定された環境破壊を食い止めることと、もう一つは全体のヴォリュームを柔らかなミディアムにすることで周辺の地域に対してきめの細かい造形的な対応を可能にしたいと考えたからである。

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