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彬風堂-宜興の陶芸学校
宜興
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所在地:中国江蘇省宜興市

用途:陶芸学校・アトリエ

敷地面積:6,666m²

延床面積:5,863m²

構造:SRC造

階数:地上2階、地下1階

​竣工:2022年

江蘇省宜興は上海から西へ150キロメートルほどの場所に位置する揚子江南岸の江南地方にあり、この地域は歴史的に伝統的な茶器の陶芸が盛んな場所として知られている。施主の高氏は代々この地で陶芸家として陶器の製作を営んでおり、日本に留学して陶芸を学んだ後、北京で陶房を開いたのちに故郷の宜興に帰り、そこに陶房と陶芸学校を設立することとなった。

周辺は江南地方特有の風光明媚な田園地帯であり、この度陶芸を中心とする伝統的な街並みを持つ住居群が計画され、その中の中核的な文化施設としてこの施設が建設されることになった。

中国江南地方は水と緑が豊かで、蘇州からこの地一帯にかけて水路沿いの白壁作りと江南瓦の組み合わせの伝統的な街並みが残されている。彬風堂の計画もこうした歴史的な文脈に沿ったデザインとしながら新しい現代的構成との融合を試みている。

敷地は南西側は周辺街区に面しているのに対して北東側は五メートルほど低く水路とその向こうの山々の見える田園風景に開かれていた。

建築の構成要素は町家型の部分に陶芸品のギャラリーと売店を一階に、二階にレストランを配し、細長い半戸外の水盤の向こうに地元伝統工芸の美術館と二階にミーティングルームとテラスを設けている。さらに中庭の周囲に陶芸学校と陶器を焼成する窯、及び陶芸家の工房と住居を設け、水辺には中国茶の茶房とゲストスペースを設け、上部は庭園と回廊にして田園風景に開放した。

このように敷地南西の内陸側は都市的な四合院型とし、次第に田園に向けて掌が開くように回廊状建築として田園に溶け込むようにデザインしている。

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